5/30 バカがバカになるバカみたいなレンズ
バカみたいなタイトルですが、レンズレビュー・レンズの感想文です。
バカになるバカみたいなレンズとはNikonのAF-S 105mmf1.4Eです。
知る人ぞ知るNikonのレンズ設計コンセプト「三次元的ハイファイレンズ」の2本目としてラインナップされた
Fマウントで最強の中望遠レンズ。
ここでいう最強とは、打撃力を指します。
重さが1kg弱、レンズ径(フィルター径)は82mm。太くて・重い。
超望遠レンズとかだとレンズだけで2kgとか珍しくない重量ですが、この105mmは見た目以上にズッシリとした重量感があります。
レンズ構成は9群14枚、ガラスが詰まってるわぁと最近のレンズではなかなか味わえない重量感。
浮ついた感じを感じさせない重厚な佇まい。レンズの見た目の話はさておき、肝心の写りをどうぞ。
ロケーションは近所で、撮影条件は全て絞り開放の絞り優先モード。
撮って出しメインです。
午前中のトップ光に近いやや陽光に照らされた若葉。人工滝のなんていうんだ、ともかく上流に咲いていた。
写りの良さを体現するハイライト的かつシンボリックな一枚。
僕の大好きな被写体、滝の水飛沫。下半分の黒つぶれは岩。
先程の滝の水飛沫を角度変えて少し近くで。SSをさらに上げて、モノトーンで。
音も色も置き去りにした世界。
色のコントラストは高め、緑は緑、水面に映る青空も青。
水面に映る光をモノトーンで。露出補正をマイナスにして、ピントも水面に。
水の揺らぎの質感、水だけども水ではないような質感。
露出補正マイナス1.3くらいで今度は水底に沈んだ枯葉にフォーカス。
水底の枯葉の時間は止まったまま、朽ちず腐らず動かず、水だけが流れていく。
塗料が剥がれた壁。
手を伸ばせば塗料が剥がれ落ちるような表面の描写。
手を伸ばした先は画面です。
白いモコモコと連なった花。連続する美しい前ボケと後ろボケ。
ねこ。ピントは左目。右目へと続くなだらかなボケ。
流れるようなボケ、とても自然。
川辺に咲く草花。
モノクロで、その辺でよく見かける草。
名前は知らない。ごめん。
雨に濡れた葉、指先よりも少し冷たい水の温度が伝わりそう。
シャボン玉。力強いモノクロ写真でも儚さはそのまま。
暗い、ローキーな写真ばかりですがAF-S105mmf1.4Eのちょっとした作例です、持ち出すと自信に繋がる写真がテンポよく撮れるので
撮影者に甘く優しい性能のレンズです。
優しくされると骨の髄まで虜になり、このレンズを使わないと写真が撮れへん・・・て強い依存症に陥りそうになります。
普段近所の公園など、本当に徒歩圏内でしか撮影していないのですが、
このレンズは、このレンズのボケは、身の回りの世界を非日常世界に変化させる凄まじいボケ量です。
ピントの合った部分だけが“世界“として成り立っていて、アウトフォーカス部は何も無いが如くの描写。
目に映る世界を変える、すごい一本です。